P38

 みなさんこんにちは。今回はルパン三世の影響で日本では圧倒的知名度を誇るワルサーP38を紹介したいと思います。

実はこの子、後世の銃に多大な影響を及ぼしたかなりの優等生なんです。やっぱりドイツよね、ドイツの科学力は世界1なんだってはっきりわかんだね。


概要

強力な弾丸を安全に発射できるショートリコイル式の撃発システムに、大型軍用拳銃としては画期的なダブルアクション機構を組み合わせた自動式拳銃。

1930年代まで、自動式拳銃の操作方式はシングルアクションが唯一であった。これは、撃鉄を起こしてあれば軽い力で引き金を引ける利点があったが、暴発のリスクもあり、常に手動安全装置をかけなければ携帯しにくかった。

ダブルアクション機構は、撃鉄を起こさなくても引き金を引いていけば自動的に撃鉄が起き上がり、そのまま引き切ることで発砲できるため、シングルアクションに比べ引き金は重くなるが暴発のリスクが少なく、手動安全装置への依存性が減る。また、ダブルアクション機構なら弾薬が不発であっても、再度雷管を叩くことを試行できた。この機能は20世紀初頭には回転式拳銃ですでに広く普及していたが、構造が複雑化するため、同時期採用されていたコルト・ガバメントなど多くの大型軍用自動拳銃には採用されていない。ワルサー社は1929年に開発した中型自動式拳銃ワルサーPPで、自動式拳銃としては世界でも早い時期にダブルアクション機構を導入していた。

P38のダブルアクション機構はPPの流れを汲むもので、シングルアクション併用型となっている。命中精度は軍用拳銃としては高く、従来のルガーP08に比しても故障率が減り、スライド上面に大きくえぐられた開口部は排莢の確実性に貢献した。

ワルサー独特のショートリコイル機構は、スライドと銃身を直接噛み合わせて銃身の下降・開放で遅延ブローバックを実現したブローニング方式と異なり、別体のロッキングピースを用いたことで銃身の上下動を不要とし、命中精度を高めている。また、銃身先端付近の保持が必要なくなったため、前方に銃身の伸びたデザインを可能としている。

P38のショートリコイル構造は横フライス加工だけで銃身、スライド、フレームそれぞれの噛み合わせを形成する事が可能となっており、P08のような複雑な切削加工を必要としない。

Wikipedia ワルサーP38


簡単に言えば

ドイツ軍「正式採用拳銃のルガーP08って構造上の問題点も多いし、生産も手間かかるし新規拳銃作ったほうがよくない?」

というコンセプトで設計された拳銃です。

この銃の特徴としてはダブルアクションが挙げられます。
現在でこそダブルアクションではない拳銃を探すほうが難しいですが、当時ダブルアクション機構を搭載した拳銃というのは珍しいものでした。

また、よく「ナチスの銃」として名の挙がる拳銃といえばルガーP08ですが実際第二次大戦時におけるドイツ軍の正式採用拳銃はこのワルサーP38でした。
そのためアメリカ軍将兵にはルガーP08と並び、戦利品としてこのワルサーP38は人気でした。

そんなワルサーP38ですが、戦後も西ドイツによって運用されます。

ワルサーP1
.P1

1956年、ドイツ連邦軍(西ドイツ軍)は大量に接収されていたナチス・ドイツ時代の制式拳銃ワルサーP38を制式拳銃として採用した。当時の連邦軍内に多かった旧国防軍出身者からの支持もあった為、採用にあたっての入札などは行われなかった。1957年からは一部改良を加えたものが新規に調達され始める。1963年10月まで、連邦軍における制式名には旧国防軍時代の「P38」がそのまま使われ、刻印も「P.38」のままだった。制式名の変更後は「P.1」に刻印が改められ、さらに軍用生産型を「P1」、民生用生産型を「P38」と呼び分けるようになる。
2004年、生産が完全に終了する。ウルムの工場から最後に出荷されたP38/P1の製造番号は473201で、この銃はカール・ワルサー社の産業博物館(Firmenmuseum)に保管されている。 
Wikipedia ワルサーP1



途中で名前がP1に変わっているのでわかりづらいですが細かな改良を行っただけで実質的には同じワルサーP38がそのまま西ドイツ軍(ドイツ連邦軍)において使用され続けました。
この銃の後継にはH&K USP(P8)が採用されます。


そんなワルサーP38ですが、今現在においても現役で使用している国があります。
ポルトガルです。
P38 N
P38 n2
マルチカム、カイデックスのホルスターにP38。なんだかものすごく異様な光景です。
とはいえ60年代から運用してきたこのP38もさすがに旧式化が問題となっていたようで、この度新規採用拳銃としてGlock17 Gen5(第5世代モデル)のコヨーテカラーの採用が決定したそうです。
glock17-gen5


こう考えてみると現代でも通用するスペックを持った拳銃であった、ともいえるのではないでしょうか?…もっとも、M1911なんて言う例外がいますから何とも言えませんが…

実銃動画



ワルサーP38のトイガン
ワルサーP38は様々なメーカーからトイガンが発売されていますが、エアガンで選ぶのなら間違いなく丸善のガスブローバックガンでしょう。ワルサー社との業務提携により再現されたその外見は言うまでもなく実物に忠実です。


また、もっと気軽に楽しみたいのであれば東京マルイのエアーコッキングガンがおすすめです。設計も古く、内部構造の都合上若干スライドが後ろに大きいですが実写性能は間違いありません。それでいて安価です。

また、韓国のTOYSTER社からもHGタイプのエアーコッキングガンが発売されています。マルイよりリアルさを求めるのならこちらも選択肢としてはありです。



いかがでしたでしょうか?古い銃の紹介ばかりが続きますが、銃の歴史を紐解けば現代の銃が今の形に進化した理由もわかります。そういった点から古い銃を学ぶというのも悪くないように私は思います。